高性能でコンパクトなミニPCとして人気のMINISFORUM UM773 Liteの修理をご依頼いただきました。今回は愛知県より宅配修理にてお送りいただいた事例です。

実はこちらのお客様、以前に「高頻度でブルースクリーンが発生してWindowsが起動しない(何度か試すとたまに起動する)」と事前にお問い合わせをいただいていた経緯がありました。
当時は「CPUのはんだクラック」の可能性が高く、修復(リフロー作業)には完全に起動しなくなるリスクを伴うため、「完全に動かなくなってからでも遅くはありません」と様子見をご提案していたのですが……今回、ついに「完全に電源が入らなくなった」とのことで、満を持してのご入院となりました。
🚨 症状:電源が全く入らない & 過去のブルースクリーン
まずは「電源が全く入らない」という現在の主訴からチェックしていきます。
- 通電確認:電源ボタンを押しても一切反応がありません。
- 基板チェック:分解してマザーボードの各回路をテスターで測定したところ、メイン電圧ラインがグランド(GND)とショートしていることが判明しました。

幸いにも、他の低電圧ラインにショートは見られません。









🛠️ 原因特定:コンデンサだけでなくMOSFETも……
メイン電圧ラインのショート箇所を特定するため、回路に低電圧を印加して診断を行います。
原因を追い詰めていくと、1個のコンデンサがショートしているのを発見!すぐに不良コンデンサと、予防のために周辺のコンデンサを合わせて交換します。
しかし、今回のトラブルはこれだけではありませんでした。 念のために周辺のMOSFET回路(電圧を制御する半導体)をチェックしたところ、なんとこちらも巻き込まれてショートしていました。


- 対応:不良コンデンサの交換に加え、故障したMOSFETも新品へと交換。
交換後、安定化電源を接続して電圧をチェックすると、メイン電圧・待機電圧ともに正常に出力されるようになりました。
🔍 別の壁:ついに現れたブルースクリーン(エラーコード:0xF7)
無事に通電するようになったため、テスト用SSDを装着して電源を入れます。画面に無事メーカーロゴが表示され、「直ったか?」と思ったのも束の間……。
Windowsの読み込み途中で、以下の画面が表示され再起動してしまいました。


Your device ran into a problem and needs to restart. We’ll restart for you. (Stop code: DRIVER_OVERRAN_STACK_BUFFER 0xF7)
これこそが、お客様が最初におっしゃっていた「起動しないブルースクリーン」の正体です。
メモリを正常品に交換してみても症状は改善されず、やはりマザーボード(CPU側)に原因があることが確定しました。最近のミニPCでこの挙動を繰り返す場合、CPUに内蔵されているメモリコントローラーに繋がる回路の「はんだクラック(接触不良)」が原因である可能性が極めて高いのです。

✨ 決断のCPUリフロー作業
原因が絞り込めたため、CPUのはんだを再融着させる「リフロー修復」に移行します。
- CPUの液体金属グリスが漏れないための保護ガードを取り外します。
- 液体金属をきれいに除去し、CPUコアの中央部を熱保護します(クラックが発生しやすいのは配線が集中する外周部のため、中心部へ余計な熱負荷をかけないようにします)。
- 液体フラックスをCPU周辺に塗布。
- 基板の歪みや急激な熱ストレスによる失敗を防ぐため、プリヒーターでマザーボード全体を十分に予熱します。
- その後、リワーク機でCPUを適切な温度管理のもと精密加熱し、はんだを再融着させます。



加熱完了後、ゆっくりと時間をかけて冷却。 その後、再び新しい液体金属グリスを塗布し、保護ガード、ヒートシンク、ファンを元通りに組み上げます。
✅ 最終チェックと動作確認
すべての修復作業を終え、再度テスト用SSDをセットして電源を投入します。
緊張の一瞬ですが……先ほどまでループしていたブルースクリーンは完全に消え去り、無事にWindowsが起動しました!

その後、何度も再起動テストを繰り返し、エラーが再発しないことを確認。さらにFF14などのベンチマークテストや、CPUに最大負荷をかけるテストを長時間実施し、電圧・温度ともに非常に安定していることを確認して無事に修理完了となりました。

🗂️ 今回の修理ポイントまとめ
| 項目 | 内容 |
| 症状 | 電源が全く入らない + Windows起動時のブルースクリーンループ |
| 原因 | メインラインのコンデンサ・MOSFETショート + CPUのはんだクラック |
| 特定方法 | テスター診断、低電圧印加によるショート特定、過去の発症経歴からの推測 |
| 対応 | 不良コンデンサ&MOSFET交換 + CPU精密リフロー処理(液体金属再塗布) |
| 結果 | 通電OK、ブルースクリーン解消、Windows起動&負荷テストも安定 |
📝 今回の修理費用
| 項目 | 価格 |
| マザーボード修復(コンデンサ・MOSFET交換+CPUリフロー) | 要見積もり (部品代、税込み) |
| その他 | + 送料 |
※上記は修理作業当時の価格となります。
🗣️ ミニPCの複合トラブルも諦めずにご相談ください
今回のように、「電源が入らない(回路ショート)」というトラブルと、「画面は映るが起動しない(はんだクラック)」という2つの深刻な故障が同時に併発しているケースでも、的確な診断を行えば基板修復で完全に直すことが可能です。
メーカーに修理を出すと「マザーボード交換」となり新品が買えるほどの見積もりが出ることが多いミニPCですが、当店の基板修復であれば、故障箇所のみをピンポイントで直すためコストを抑えられます。
「ブルースクリーンが頻発する」「急に電源が入らなくなった」「他店でマザーボード交換しかないと言われた」などのお悩みがありましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。全国からの宅配修理に対応しております。
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ご依頼の際は「SSD等取り外し発送OK」
※「仕事のデータや個人情報が心配…」という方は、内部のSSD(ストレージ)をご自身で取り外して、本体のみをお送りいただいても検査・通電修理が可能ですので全く問題ありません。基板修理の際はSSDは関係ないのでSSD内部を修正する事は一切ございません。それでもご心配の方はその旨ご指定の上取り外してお送りください。当店もその方が安心して修復作業を行えます。お気軽にお申し付けください。
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- パソコンのメーカー名(富士通、NEC、東芝、DELL、HP、Lenovo など)
- パソコンの型番(本体の裏面や側面のシールに記載されています)
- OSの種類(Windows 11、Windows 10、または古いバージョンのWindows)
- 現在の詳しい症状(例:「突然電源が入らなくなった」「異音がしてデータが見られない」など)
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